COLUMN コラム

【自活研・小林理事長の自転車コラムその47】~政治が動き始めた・・・ような気がする~

 2013年10月28日は、ひょっとするとわが国の自転車の歴史に新たなページを加える日だったかもしれない。
自転車活用推進議員連盟(谷垣禎一会長)が「自転車PT大討論会」なるものを開催した日だ。
 
 以前、この欄で休眠状態だった自転車議連が復活したことを紹介したが、その時、議連としての提言をまとめるよう谷垣会長から指示があった。
小泉昭男参議院議員を座長とする「自転車活用PT(プロジェクトチーム)」が組織され、3回にわたって議論して提言の叩き台ができたのだが、議連メンバーで勝手に決めるのではなく「民の声」を汲み上げて成案を得ようということになった。
選挙で選ばれた議員同士の議論でさえ、なかなかまとまらないのが実情である。
国会のなかで議員と一般市民が討論会を開けば、百家争鳴でまとまらずに終わる、というシナリオも想定されるが、それでも良いから話し合おうという議連幹部の熱い思いが感じられる。
 
 議題は「提言」である。
 
 自転車については車両本体、交通ルール、道路整備、教育啓発、健康や環境への寄与、放置問題、海外支援などさまざまな切り口があり、いったいどの省庁がなにを所掌しているのかがわかりにくく、総合的な取り組みが行われない悩みがある。
身近なテーマだからこそ、自治体の役割が大切だが、たとえば東京都では、自転車関連担当窓口は青少年・治安対策本部、都市整備局、環境局、建設局、教育庁、警視庁の6局庁にあり、その下に10の部、14の課が存在する。
それぞれまじめに仕事をしていても、総合的な視野に欠ける嫌いがある。
しかも、自転車の特性についての知見や経験にかかわらず担当させられているために、話が通じないことも多い。
議連の提言案では内閣に「自転車政策の一元化及び政策実現を促進するため、特命担当相を設置」することが盛り込まれ、任命に当たっては「サイクリストであること」を資格要件とするとまで踏み込んだ。
 
 また、せっかく政府が安全快適な自転車利用環境創出ガイドラインを決めたのだから、さっさと実現しろ、とか「自転車は車両なのだから車道左」と政府が決めてるんだから公務員(まあ、警官のことだろうなあ)はお手本を示せ、とかなかなかである。
特に、7年後の東京オリンピックまでにやるべきことも列挙されていて「おもてなし」にも目が行き届いている。
選手村を起点としてすべての会場及びその周辺までの道路の車道部分に「自転車通行帯」を作れ、パラリンピックの正式種目であるタンデム自転車の公道での通行規制を撤廃しろ、など当然すぎる指摘ばかりだ。
実現させるには国民の指示も必要だ。頑張れ!自転車族議員!
 
【月刊サイクルビジネスより改訂して再掲】
 

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