COLUMN コラム

【自活研・小林理事長の自転車コラムその35】~自転車議連、期待して良いかな。~

4月1日はどうしたわけか嘘をついても良い日だそうで、2013年、よりによってそんな日に開催されたのが国会の「自転車活用推進議員連盟」の総会である。会長は文句なしに政界サイクリストNo.1の谷垣禎一法務大臣。超多忙な日程の隙間を見つけて、自転車にちゃんと乗れるSP(要人警護官)を従えてのお忍びサイクリングに出かけているとのことだった。この日も法務大臣宛ての質問通告がなかったので、委員会を抜け出して議連総会に出席。衆参両院から議員本人が18名、代理の秘書が23人集まった。
実は、自転車活用推進研究会はこの議連に政策提言を行うために発足させた経緯があり、今回も会員には傍聴が許されたので総勢60名で会議場を埋め尽くした。政府側からは内閣府、警察庁、文科省、厚労省、経産省、そして国土交通省の担当、政府系の自転車団体も幹部が出席して全体で120名を超える大会議である。聴衆が多いと血が騒ぐのが政治家の本能なのかもしれないが、いくつも大臣をやった二階俊博代議士をはじめ、新人議員からも「本気で取り組もう!」と少々激しすぎるくらいの発言が相次いだ。
ちょっと驚いたのは、神奈川県の小泉昭男参議院議員や大分1区の穴見陽一代議士らが、300kmブルベを16時間で走ったと発言のなかで明らかにしたことだ。読者には釈迦に説法だろうが、ブルベ(Brevet)とは仏語で「認定」の意で、レースではなく定められたチェックポイントを通って一定時間内に完走すると認定がもらえるロングライドである。穴見代議士は40代前半だが、小泉議員は60代後半である。自転車ブームがいかに幅広い年齢層、さまざまな人々に支えられていることを改めて感じさせる一幕だった。
この議連は傍聴者からの発言も聞くというオープンマインドで、自らもトライアスリートである岩城光英参議院議員が自活研会員の一人が手を上げたのを躊躇なく指名して、自動車教習所を再定義して自転車の運転ルールも教えたらどうか、また医療費削減効果に着目して企業の保険料に連動するような仕組みを考えてはどうか、との要請にもうなづく議員が少なくなかった。
前回の政権交代選挙後、超党派の議連を敬遠する動きがあり、3年以上も総会が開けなかったが、新メンバーの参加も増えた。谷垣会長は「議連として提言をまとめるためのプロジェクトチームを」と呼びかけ、さっそく委員の人選が進められている。大いに期待したい。
でも、まさかエイプリルフールの夢ではあるまいな。
【月刊サイクルビジネスより改訂して再掲】
 

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