2015年06月01日(月)
安全第一♪愛車チェック→簡単メンテナンス(3)「ツーリング途中のトラブル対策2“携帯工具でリアディレイラー応急調整”」編
ツーリング先でディレイラー(変速機)の調子が悪くなり、「快適に走り続けることができなかった・・・」なんて経験ありませんか? そんな時には、安全・確実に自宅まで戻ることのできる状態まで携帯工具で応急調整することが重要です。今回は、リアディレイラーのトラブル症状ごとに調整ポイント&手順を紹介します!
アドバイス&撮影協力/バイクプラス
操作していないのにリアギヤが勝手に変速してしまう
操作をしていないのに、「ガチャガチャ」音を立ててギヤが勝手に変速してしまう時は、ディレイラーワイヤーの張りが適正でない原因が考えられます。アウターアジャストボルトを操作し、適正な張りまで調整しましょう。勝手に変速してしまうのがトップ(小さなギヤ)側か、ロー(大きなギヤ)側かを確認し、その不具合の方向に応じてボルトを回していきます。一度に大きく回しすぎると正確な調整ができないので、1回に1/4回転ずづ行うのがポイントです。
勝手に変速してしまうギヤ位置の状態で、片手で車体を持ち上げて後輪を浮かし、もう片方の手でクランクを回してみる | 勝手に変速してしまうのが、トップ側(A)かロー側(B)かを確認。安全な場所ならば、走りながらチェックするのもOK |
トップ側に勝手に変速してしまう場合は、アウターアジャストボルトをA方向に1/4回転(ワンクリック)させ、一度自転車に乗って確認。まだ勝手に変速してしまう場合は、同じ作業を勝手に変速しなくなるまで行う | ロー側に勝手に変速してしまう場合は、アウターアジャストボルトをB方向に1/4回転ずつ調整し、同様に自転車に乗って勝手に変速しなくなったか確認しながら調整。自転車に乗って確認する際は、周囲の安全に気を付けよう |
リアのギヤが最後まで変速しない
手元の操作では最後まで変速しているのに、実際のギヤは最後(いちばん軽いギヤ)まで変速しない場合は、ディレイラーの振り幅(ディレイラーが動く幅)が狂ってしまっていることが考えられます。ディレイラー後部についている二つの振り幅アジャストボルトのうち、Lと書かれた下側のボルトをいちばん軽いギヤに変速するまで1/4回転ずつ回しましょう。回しすぎると、逆にチェーンが脱落しやすくなってしまうので注意が必要です。
走行しながらリアを変速し、ロー(いちばん大きな)ギヤまでチェンジして、最後まで変速しないか確認 | 最後まで変速しなかった場合は一度停車し、停車したままの状態でクランクを回さずに、ギヤを一段トップ側にチェンジ |
Lと書かれた下側の振り幅アジャストボルトを反時計回りに1/4回転させ、走行してローギヤに変速するか確認 | それでも最後まで変速しない場合は、チェックの作業に戻ってから、同様のメンテ作業を最後まで変速するまで行う |
走行中にリアのチェーンが外れてしまう
走行中の変速時に、リアのチェーンが外れてしまう場合は、リアディレイラーのアジャストボルトを調整します。チェーンが脱落すると、自転車本体やホイールなどを破損してしまう危険性もあるので、外れやすい場合は早めに調整しましょう。その際、脱落するのがトップ(外)側かロー(内)側を確認し、それぞれの症状に対応したボルトを適正方向に調整することがポイントです。
チェーンがトップ(いちばん小さいギヤ)から外側に落ちてしまう場合は、まずトップに変速した状態から作業を始める | チェーンがロー(いちばん大きなギヤ)から内側に脱落してしまう場合は、ローに変速した状態から作業をスタート |
リアディレイラー後部にある2つのアジャストボルトうち、Tと書かれた上側のボルトを時計回りに1/4回転させる | 自転車の後方から見て、プーリーとトップギヤの位置が一直線になっていればOK。なっていない場合は同様の作業を続ける |
リアディレイラー後部にある2つのアジャストボルトうち、Lと書かれた下側のボルトを時計回りに1/4回転させる | 自転車の後方から見て、プーリーとローギヤの位置が一直線になっていればOK。なっていない場合は同様の作業を続ける |
リアディレイラーが曲がってしまったら
転倒してしまった時や輪行後などに、フレームのエンド部分を曲げてしまうトラブルが発生することがあります。そんな状態では、いくら調整しても正常な状態に戻すことはできません。ツーリング途中や旅先でこのような状態になってしまった場合は、アーレンキーを使って手の力で元の位置まで戻しましょう。しかし、これはあくまで応急処置。帰宅後はすぐにショップへ持っていき、本格的な修理をすることがおすすめです。
後ろ方向から確認 リアのギヤをトップ(いちばん小さなギヤ)に変速し、後ろ方向から見てスプロケットのギヤとディレイラーが平行かチェック | 上方向から確認 リアのギヤはトップのままで、今度は上方向からギヤとディレイラーが平行になっているかを確認。必ず上・後の両方からチェック |
専用ショップへ必ず持って行って 本格的な修理へ! |
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アーレンキーをディレイラー取り付けボルトに差し込み、アーレンキーを握りながらここを軸として、手の力で元の位置に戻す |
東京(多摩店)、埼玉(三郷店・大宮店)、神奈川(港北N.T店)の4店舗を展開するスポーツ自 転車専門店。初心者講習会なども実施し、初めてスポーツ自転車に乗る人に優しく、アメリカの自 転車メカニック学校・最高位資格を有するスタッフが複数名在籍するなど、本格派も大満足なお店 。ショップHPでは、自転車の楽しみ方や、お店近くのおすすめサイクリングコースなども紹介されて いる。 |
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定休日:水・木(祝祭日の場合は営業) - 三郷店
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■撮影に協力いただいたバイクプラススタッフさん |
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最上拓也さんロングライド・ヒルクライムが大好きな三郷店店長。お菓子作りも趣味で、本格的なロングライ ドからグルメポタリングまで大好物!? |
宮崎早香さん自転車旅&アウトドア大好きな大宮店スタッフ。自身で女性向けメンテナンス本を企画・制作し たこともある女性サイクリストの強い味方! |