PRO SHOP “愛車購入後”プロショップ徹底活用術

“愛車購入後”プロショップ徹底活用術(2)「ツーリングが不安なく楽しめるパンク修理のコツを教えて!!」編

愛車に乗って「長距離ライドやグルメライドに出かけたい!」と計画しても、「何かトラブルが起こってしまったら…」と心配な人は多いと思います。ツーリング中に起こってしまう最も多いトラブルはパンク。自分自身でパンク修理できることが、スポーツバイクを楽しむための基本中の基本です。
しかし、自転車雑誌やWebで書かれたパンク修理の手順を見ても、実際にやってみると細かいコツが分からないのが現実です。そこで活用したいのが、プロバイクショップで実施されているパンク修理講習会(※1)。自転車を購入するだけでなく、購入したアイテムの上手な活用法についても、的確にアドバイスしてくれるのがプロバイクショップの魅力です!
※1/すべてのプロバイクショップでパンク修理講習会が実施されているわけではありません。今回アドバイスしてくれた「バイクプラス」では、各店舗で定期的に実施されています(同店会員は無料。非会員は有料)。

●パンク修理は基本中の基本! 講習会でマスターしましょう♪

パンク修理は基本中の基本!
 
パンク修理はスポーツバイクを楽しむために絶対にマスターしておかねばならないテクニック。
ここでは、パンク修理の全体の流れを紹介します。
プロバイクショップでパンク修理のコツを習った後に復習&確認用として使ってください!

ツーリング前に絶対マスターしよう!『ビギナーでも簡単。パンク修理の手順』

         
(1)バルブ先端を緩めてチューブに残った空気を抜く   (2)バルブ根元のリムナットを緩めて完全に外す   (3)タイヤレバーをタイヤとリムの間に差し込む
(1)バルブ先端を緩めてチューブに残った空気を抜く
パンクしてしまった状態でも、チューブの中に少し空気が残っている場合があります。
そのままではパンク修理作業がしにくくなることがあるので、まずは完全に空気を抜くようにしましょう。
バルブ先端を回して緩め(仏式バルブ)、上から押すことで空気を抜くことができます。
  (2)バルブ根元のリムナットを緩めて完全に外す
次に、バルブの根元にあるリムナットと呼ばれる部品を回して完全に外します(パンク修理終了後は、手順(2)→(1)で空気を入れます)。
※外したリムナットはなくさないように、手順(6)の後、パンクしたチューブのバルブに戻しておきましょう。パンクしたチューブを再生した時に再び使うことができます。
  (3)タイヤレバーをタイヤとリムの間に差し込む
通常2~3本のセットで販売されているタイヤレバーと呼ばれる道具を使い、タイヤの片側だけをリムから外していきます。
タイヤレバー最初の1本目は、バルブと反対側のタイヤとリムの間に、レバーのヘラのような形の部分を差し込み、タイヤ片側をリムから引き起こすようにして外します。
         
2本目のタイヤレバーでタイヤ片側を外していく   手を使ってタイヤ片側を完全にリムから外す   チューブを外し、バルブを真上に引き抜く
(4)2本目のタイヤレバーでタイヤ片側を外していく
1本目のタイヤレバーで引き起こした後は、レバーの片側をスポークに引っ掛けて固定(販売されている多くのタイヤレバーがこの形状を採用)。
1本目をそのままにしながら、2本目を、1本目を引っ掛けたスポークの1本横のスポークの場所に手順(3)と同じように差し込み、タイヤ片側を外します。
  (5)手を使ってタイヤ片側を完全にリムから外す
タイヤレバーを使ってタイヤ片側をリムから外す作業をレバー3本程度進めておけば、残りは手でタイヤ片側をリムから外すことができます。
1周すべてタイヤ片側を外した後は、タイヤ内側にあるチューブを引き出していきます。
チューブを引き出す際は、クギなどの異物が刺さっている場合もあるので注意して作業しましょう。
  (6)チューブを外し、バルブを真上に引き抜く
チューブをタイヤ内側から引き出し、最後にバルブを真上に引き抜きます。
次に取り出したチューブに空気を入れてみて、パンクしている場所を確認。
バルブとの位置関係を目安に、そのパンクしている場所に当たるタイヤに異物が残っていないかなどをチェックすることも、再パンクしないための重要な手順です。
         
ブレーキに当たらないように真っ直ぐホイールをつける   リアディレーラーを押してスムーズに車体を下ろす   車体を押さえて、ホイールを斜め上方向に引く
(7)交換用チューブに軽く空気を入れておく
次に交換する新品のチューブを用意して、この後の作業をしやすくするため、軽く(チューブが丸い形になる程度)空気を入れておきます。
また、新品のチューブをタイヤに装着する前に、この段階でタイヤの外側・内側とも異物がないか一周全体を目視でチェックしておきましょう。
  (8)バルブを真っ直ぐ差し込みタイヤをかぶせる
新品のチューブのバルブ部分を根元までリムに差し込みます。
この時、斜めから強引に差し込むとリムを傷つけてしまうので注意しましょう。
差し込んだ後は、チューブがリムに噛まないようにタイヤをかぶせます。
かぶせた後、バルブを下から1~2回軽く上に動かせば、リムに噛んでいないか確認できます。
  (9)タイヤを下に押し伸ばすようにしながらリムに装着
チューブ全体をタイヤ内側に沿わすように入れ、写真のような体制でバルブ部分を上にしてタイヤ片側をリムにはめていきます。
この時、チューブがタイヤ内側に入っていることを確認しながら、左右の手をタイヤに這わせるようにしてバルブ部分から下方向にタイヤを押し伸ばすようにするのがポイントです。
         
チューブがリムに噛まないように注意して完全に装着   チューブが噛んでいないかリム一周を目で確認する   タイヤに書かれた適正空気圧の範囲まで空気を入れる
(10)チューブがリムに噛まないように注意して完全に装着
手順(9)の流れでタイヤを押し伸ばすようにはめていき、最後バルブ部分と反対側近くにきたら、写真のような体制になり、最後の部分は手の平全体で前側にひねるようにして装着します。
最後の部分はとくにチューブをリムに噛みやすいので、注意して作業するようにしましょう。
  (11)チューブが噛んでいないかリム一周を目で確認する
タイヤ片側をリムに装着し終わったら、空気を入れる前にタイヤを親指でリムから動かしてチューブが噛んでいないか、タイヤ一周チェック。
もしチューブが噛んでいる状態で空気を入れると、せっかく交換した新品のチューブがすぐに再パンクしてしまうので、必ず行うようにしましょう。
  (12)タイヤに書かれた適正空気圧の範囲まで空気を入れる
リムナットを取り付け、最後にチューブに空気を入れていきます。この時、タイヤのサイドに書かれた適正空気圧の範囲内で入れることが重要です。
適正空気圧外で走ってしまうと、再パンクの危険性が高いだけでなく、走行性能・安全性能に大きく悪影響を及ぼしてしまうので注意してください。

●ホイールを換えると走りが変わる! 正しい装着法も教えてくれます!

 

パンク修理する際にも絶対に必要となるホイールの着脱。

正しく着脱できないと、走行性能に悪影響があるだけでなく、場合によっては安全性に深刻な影響が出てしまうことがあるので、確実なホイール着脱法をマスターしましょう。
今回は、作業が比較的難しい後輪の着脱法を紹介します。 またホイールは、自転車全体の走行性能に直接影響する部分です。購入した自転車のホイールを交換するだけで、見た目も走りも大きく変えることができます。
プロバイクショップで「上りを軽くしたい」「ロングライドを楽に走りたい」などの要望を伝え、新しいホイールに交換してみるのもオススメです。
この際も、ホイール着脱をマスターしておけば、シチュエーションに合わせて自分で自由に新しいホイールに交換できるようになります!

パンク修理時にも絶対必要!「スムーズ&確実なホイール着脱法」

         
(1)右内側のシフトレバーを操作してペダルを回す   (2)リアギヤをトップ(いちばん小さい)に変速   (3)ブレーキのクイックリリースレバーを上げる
(1)右内側のシフトレバーを操作してペダルを回す
右側ブレーキレバーの内側にある小さなシフトレバーを押し込んで、片手で後輪を浮かせながらペダルを回して変速(シマノ)。
  (2)リアギヤをトップ(いちばん小さい)に変速
後ろのギヤがトップ(いちばん小さい外側の歯)に入るまで、手順(1)のレバー変速を行います。
この手順をしないとスムーズな着脱ができません。
  (3)ブレーキのクイックリリースレバーを上げる
ブレーキの肩にあるクイックリリースレバーを上げて、ブレーキ幅を広げます。
この手順で太めのタイヤでも外れやすくなります。
         
ホイールのクイックリリースレバーを開放する   ホイールを押さえて車体を上げるようにして外す   ホイールを着ける際はまずチェーンをギヤに掛ける
(4)ホイールのクイックリリースレバーを開放する
ホイールのクイックリリースを開放します。
後輪の場合、レバーと逆側のナットは緩める必要はありません。
  (5)ホイールを押さえて車体を上げるようにして外す
後輪を押さえるようにしながら、車体を持ち上げるようにすると、スムーズにホイールを外すことができます。
  (6)ホイールを着ける際はまずチェーンをギヤに掛ける
ホイールを装着する場合は、まずギヤをチェーンの内側に入れ、トップの歯にチェーンを掛けます。
         
ブレーキに当たらないように真っ直ぐホイールをつける   リアディレーラーを押してスムーズに車体を下ろす   車体を押さえて、ホイールを斜め上方向に引く
(7)ブレーキに当たらないように真っ直ぐホイールをつける
ホイールがブレーキシューに当たらないように、ブレーキの真ん中にホイールがくるように装着しましょう。
  (8)リアディレーラーを押してスムーズに車体を下ろす
リアディレーラーを押すようにすると、ホイールが正しい位置にスムーズに装着できるようになります。
  (9)車体を押さえて、ホイールを斜め上方向に引く
片手で車体を押さえながら、もう片手でホイールを後ろ斜め上方向に引くようにすると、最後までしっかりホイールがはまります。
片手で車体を上から押さえるようにしてホイールを固定チューブが噛んでいないかリム一周を目で確認するタイヤに書かれた適正空気圧の範囲まで空気を入れる
(10)片手で車体を上から押さえるようにしてホイールを固定
最後に片手でサドルを上から押すようにしながらクイックリリースを締めると真っ直ぐホイールを装着できます。
クイックの位置は、後ろや下方向では走行中に木の枝などにぶつかった際に外れてしまう危険性があるので、上方向に締めるようにしましょう。

撮影協力&アドバイス

バイクプラス

東京(多摩店)、埼玉(三郷店・大宮店・戸田彩湖店)、神奈川(港北N.T店)の5店舗を展開するスポーツ自転車専門店。初心者講習会なども実施し、初めてスポーツ自転車に乗る人に優しく、アメリカの自転車メカニック学校・最高位資格を有するスタッフが複数名在籍するなど、本格派も大満足なお店。ショップHPでは、自転車の楽しみ方や、お店近くのおすすめサイクリングコースなども紹介。今回撮影を行った戸田彩湖店は、スポーツバイクを本格的に試乗できる彩湖や荒川からも自転車で数分の場所にあり、ツーリング途中に立ち寄るにも便利。

バイクプラス
  • 多摩センター店
    〒206-0034
    東京都多摩市鶴牧2-9-15
    TEL:042-311-2818
    営業時間:月・火・金13:00~20:00
    土・日・祝12:00~19:00
    定休日:水・木(祝祭日の場合は営業)
  • 三郷店
    〒341-0004
    埼玉県三郷市上彦名121-1
    TEL:048-950-1820
    営業時間:月・火・金13:00~20:00
    土・日・祝12:00~19:00
    定休日:水・木(祝祭日の場合は営業)
  • さいたま大宮店
    〒330-0842
    埼玉県さいたま市大宮区浅間町2-329-2
    TEL:048-658-0819
    営業時間:月・火・金13:00~20:00
    土・日・祝12:00~19:00
    定休日:水・木(祝祭日の場合は営業)
  • 港北N.T店
    〒224-0003
    神奈川県横浜市都筑区中川中央1-38-1
    TEL:045-914-5906
    営業時間:月・火・金13:00~20:00
    土・日・祝12:00~19:00
    定休日:水・木(祝祭日の場合は営業)
  • 戸田彩湖店
    〒335-0031
    埼玉県戸田市美女木7-2-14
    TEL:048-423-9301
    営業時間:月・火・金13:00~20:00
    土・日・祝12:00~19:00
    定休日:水・木(祝祭日の場合は営業)

■撮影に協力いただいたバイクプラススタッフさん

宮崎早香さん
宮崎早香さん

自転車旅&アウトドア大好きな戸田彩湖店スタッフ。TREKの認定フィッターの資格も取得し、女性サイクリストの視点からのパンク修理講座や輪行講座も実施。
上級者からビギナーまで細やかなサポートをしてくれる女性サイクリストの強い味方!

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